うらん

私が生まれて初めて飼ったネコは　当時の彼氏からのバレンタインプレゼントでした。
この彼氏　自分がネコ好きだけど会社の社員寮暮らしでネコが飼えなかったため　私に飼わせようという魂胆だったらしいです。
彼の独断でアメリカンショートヘアを買うことになり　当時住んでた場所のペットショップに片っ端から電話したところ　
｢ちょと育ちすぎちゃったアメショがいるのでお安く売ります｣というところがあったのです。
さっそく車で見に行ってみると　子猫というには大きい黒猫がケージの中にちょこんと座っていました。
思わず｢...これほんとにアメショですか?」と聞いてしまったほど　しまが全くないのです。
すぐそばの大きなケージにはお父さんネコとお母さんネコ　そして黒猫の兄弟であろう子猫たちがいましたが　みんな白地に黒のしまで見るからにアメショといういでたち。
ペットショップの方いわく　｢この子だけ黒猫に生まれちゃって誰も買い手が
付かなかったのよね。女の子だからあと何ヶ月か売れなかったら　繁殖用にするわ｣
...なんだかとても悲しくなってしまいました。まるでみにくいアヒルの子みたいな話しです。
抱き上げてみると　おとなしく抱っこされて　なんだかとってもかわいくて　うちにつれて帰ることにしました。

...うらんと名付けられたこのネコ　その後本当にみにくいアヒルの子同様　華麗な変身を遂げるとは　思いもよらなかったのです。

つづく